経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済制度)とは
経営セーフティ共済とは、取引先の倒産の影響によって中小企業が連鎖的に倒産したり、経営難に陥ることを防ぐための制度です。
5,000円から200,000円までの範囲で毎月の掛金を納付することにより、取引先企業の倒産により売掛金を回収できなくなった場合に、無担保・無保証・無利子で、最大で8,000万円を借り入れることができる制度です。
また、納付した毎月の掛金は、損金(必要経費)として認められるので節税効果も認めれれるというメリットもあります。

目次
経営セーフティ共済の制度概要
中小企業が経営セーフティ共済に加入すると、取引先の倒産によって売掛金の回収が困難となった場合に、無担保・無保証・無利息で、積み立てた掛金総額の10倍の範囲内(最大8,000万円)で、貸付を受けることができます。
経営セーフティ共済の正式名称は、中小企業倒産防止共済制度といい、中小企業倒産防止共済法にもとづき、国が全額出資している独立行政法人中小企業基盤整備機構が運営しています。
契約者の資格 | ・中小企業基本法に定める中小企業 ・特別の法律によって設立された中小企業団体(企業組合、協業組合等) 上記のいずれかに該当し、継続して1年以上事業をおこなっていること |
掛金月額 | 5,000円~200,000円(5,000円単位) |
積立(掛金)上限額 | 800万円 |
貸付上限額 | 8,000万円 |
加入のメリット
経営セーフティ共済に加入すると、様々なメリットがあります。
①無担保・無保証人・無利息で借入ができる
取引先事業者が倒産し、売掛金債権等の回収が困難となった場合に、共済金の貸付を受けることができます。
貸付金額の上限は、次の①②のいずれか少ない額となります。
①掛金総額の10倍に相当する額
②回収困難となった売掛金債権等の額
例えば、取引先への売掛金3,000万円が回収不可能となった場合で、これまでに掛けてきた掛金が月額10万円の24ヶ月(=240万円)であれば、2,400万円まで貸付を受けることができます。
上記の場合で、これまでに掛けてきた掛金が月額15万円の24ヶ月(=360万円)であれば、掛金総額の10倍は3,600万円ですが、回収不可能となった3,000万円まで貸付を受けることができます。
なお、掛金の上限額は800万円なので、貸付限度額は8,000万円となります。
たとえ1億円の売掛金が回収困難となった場合でも、8,000万円までしか貸付を受けることができません。
このように取引先の倒産等により売掛金の回収が困難となった場合に、一定額の貸付を受けることができるというのが1つ目のメリットであり、貸付を受けることにより連鎖倒産を防ぐことが経営セーフティ共済の制度目的です。
②一時的に貸付を受けることができる
メリット①のように取引先の倒産による貸付金の回収困難という状況にない場合でも、臨時に事業資金が必要となる場合には、解約貸付金の95%を上限として一時的に貸付を受けることができます。
急な事業資金が必要となって金融機関や日本政策金融公庫からの融資をまっている余裕がない場合に、ぜひ活用したい制度です。
③節税効果がある
経営セーフティ共済の掛金は、損金(法人の場合)または必要経費(個人事業主の場合)に算入することができるので、節税効果があります。
月額上限額の20万円を毎月掛けていれば年間240万円を損金に算入することができるので、相当な節税効果が見込まれます。
まとめ
制度の概要やメリットは上記のとおりです。
中小企業が、節税効果を受けつつ、取引先の倒産による連鎖倒産リスクに備えることができるという、とてもお得な制度です。
ご加入をご検討される方は、お近くの商工会議所におたずねください。