建設業許可を取得するメリット・デメリットとは

「建設業許可を取得すると、どのようなメリットがあるの?」

「同業者から建設業許可を取得したほうがいいと聞いた」「元請から建設業許可を取るように言われた」そのような事業者様は疑問を感じていらっしゃるかもしれません。

結論から申し上げると、建設業許可を取得すると大きなメリットがあり、貴社の売上を伸ばすことができます。

この記事では建設業許可を取得するメリットとデメリットについて解説しています。建設業許可の取得をご検討されている事業者様は是非、ご覧ください。

建設業許可を取得するメリット

建設業許可を取得すると、次のようなメリットがあります。

  • 大規模な建設工事を受注することができる
  • 下請工事を受注しやすくなる
  • 体外的な信用が上がり融資を受けやすくなる
  • 公共工事の入札に参加することができるようになる

それぞれ具体的にみていきましょう。

1)請負金額が500万円以上の大規模な工事を受注することができる


建設業許可を取得していなかったために500万円以上の工事を受注する機会を逃したことはなかったでしょうか?  

建設業許可を取得すれば500万円以上の工事を受注することができるようになります。これが建設業許可を取得するもっとも大きいメリットです。

通常、建設業許可の申請から許可がおりるまでには45日程度かかるので、500万円以上の工事を受注する段階で申請をおこなっても間に合わないおそれがあります。そのため、500万円以上の工事を受注する可能性があれば、あらかじめ建設業許可を取得しておきましょう。


2)請負金額が500万円未満の工事も受注しやすくなる

本来は500万円未満の建設工事だけを施工するのであれば、建設業許可を取得する必要はありません。

しかし、建設業許可を取得するためには、経営業務の管理責任者・専任技術者といった人に関する条件や、500万円以上の自己資本額があることなど厳しい条件をクリアーする必要があります。

このように、建設業許可を取得している建設業者様であればこれらの厳しい条件をクリアーしているということなので、貴社が建設業者としての一定以上の水準以上にあることを対外的、客観的に証明することにより、対外的な信用を増やすことができます。

近時の法令遵守(コンプライアンス)の意識の高まりからも、発注者や元請業者が下請業者に建設業許可の取得を求める傾向も強くなっています。

また、公共工事については、建設業許可を取得している建設業者を下請業者として発注するように国土交通省が指導していることもあり、元請業者が下請業者に建設業許可を取得するよう求めることが多くなっています。

このような事情から、500万円未満の建設工事のみを施工する場合でも、建設業許可を取得することにより建設工事の受注がしやすくなるといえます。

実際にも、建設業許可を取得して許可番号を名刺に入れたい、許可番号を名刺に記載したほうが営業をしやすいという理由で建設業許可を取得する業者様もいらっしゃいます。大規模な建設工事を請け負う可能性が当面なくても、建設業許可を取得するメリットがあると言えます。

3)融資を受けやすくなる

建設業許可を取得するためには、「500万円以上の自己資本を有していること」という財産的要件をクリアーしている必要があります。

そのため建設業許可を取得すると、金融機関からの信用があがり融資を受けやすくなります。

4)公共工事の入札参加、受注をすることができるようになる


公共工事を受注するためには、経営事項審査という手続きを経てから入札参加資格申請をおこなうことが必要となりますが、経営事項審査をうけるためには前提として建設業許可を取得していることが必要です。

言いかえると、建設業許可を取得していなければ経営事項審査、入札参加資格申請をおこなうことができないため、公共工事の入札に参加することができません。

そのため、公共工事の受注を考えている建設業者様は早い段階から建設業許可を取得している必要があるといえるでしょう。

建設業許可を取得するデメリットとは

これまで建設業許可を取得するメリットについてご説明してきましたが、建設業許可を取得すると次のようなデメリットもあります。

  • 建設業許可を新規取得するためには、90,000円の申請手数料がかかるし、膨大な資料を集めたり書類を作成する手間がかかる。
  • 1事業年度につき1回の決算変更届(決算報告)を提出したり、その他の変更届を提出する必要がある。
  • 5年に1度の更新をおこなう必要がある。更新手続きには50,000円の申請手数料がかかるし、書類作成をおこなう手間がかかる。
  • それぞれの手続の代行を依頼するとさらに報酬が発生する

このように建設業許可を取得すると、多少の手間と費用が必要となります。

まとめ

建設業許可を取得すると、500万円以上の大規模な建設工事を請け負うことができるようになりますし、公共工事を受注する道が開けます。また体外的な信用度が上がることにより、500万円未満の建設工事を受注しやすくなります。

建設業許可を取得すると多少の手間や費用がかかってしまいますが、メリットに比べるとわずかなものにすぎません。

売上を増やしたい建設業者様にとって、建設業許可を取得するメリットは大きいといえます。