専任技術者となるために必要な10年の実務経験の例外
建設業者様から業種追加のご依頼をいただきました。今回は追加する業種について専任技術者の資格を実務経験によって証明することになりました。原則として必要となる10年の実務経験ですが、例外パターンを複数、利用できるケースでした。知識の整理のために、例外パターンをまとめてみました。
①所定学科を卒業している場合
建築学に関する学科、土木工学に関する学科など所定の学科を卒業している場合には、必要とされる実務経験が5年や3年に短縮されます。
「電気工学に関する学科や電気通信工学に関する学科を卒業している場合には、電気工事業と電気通信工事業について実務経験の短縮が認められる」というように、学科と申請業種の組み合わせは決まっています。
このように一定の学科を卒業している場合には、高校を卒業している場合には5年の実務経験、大学を卒業している場合には3年の実務経験でOKというように、卒業している学校のカテゴリーによって実務経験の短縮が認められています。下表をご参照ください。
高等学校 | 全日制、定時制、通信制、専攻科、別科 | 5年 |
中等学校 | 5年 | |
大学 短期大学 | 学部、専攻科、 別科 | 3年 |
高等専門学校 | 学科、専攻科 | 3年 |
専修学校 | 専門課程、学科 | 5年(※) |
※専門士、高度専門士は3年
②他の業種の実務経験の振替が認められている場合

許可を受けようとする業種について8年以上の実務経験があって、振り替えることができる業種と合計で12年以上の経験がある場合には、専任技術者の実務経験が認められることになります。
振り替えることができる業種と、振り替え先の業種(申請する業種)との組み合わせは定まっています。
一式工事から専門工事への振替
振り替えできる業種 | 振り替え先の業種(申請する業種) |
土木一式 → → | → とび・土工・コンクリート、しゅんせつ、水道施設、解体 |
建築一式 → → | → 大工、内装仕上、屋根、ガラス、防水、熱絶縁、解体 |
専門工事の間での振替
振り替えできる業種 | 振り替え先の業種(申請する業種) |
大工 → → | → 内装仕上 |
内装仕上 → → | → 大工 |
とび・土工・コンクリート → → | → 解体 |
解体 → → | → とび・土工・コンクリート |
上記のように、内装仕上工事と大工工事との相互間で、実務経験の振り替えが認められています。
とび・土工・コンクリート工事と解体工事との相互間も、同様です。