自己資本対固定資産比率とは|経営状況分析の指標⑤の評点アップ対策とは

自己資本対固定資産比率とは
自己資本対固定資産比率とは、自己資本額(純資産額)を固定資産額で割って求め、自己資本(純資産)が固定資産をどれだけ上回っているかを示す指標です。
企業が固定資産(建物、車両、建設機械などの設備投資)を取得すると返済に長期間を要することが多くなりますが、固定資産の支払いに返済不要な自己資金をあてることができれば、企業の資金繰りは圧迫されず財務状況は健全といえます。
反対に、固定資産の取得に返済が必要かつ利息のかかる借入金をあてるとなると企業の資金繰りは圧迫されることになります。
このように、自己資本対固定資産比率とは、企業の財務の健全性を示す指標で、高ければ高いほど財務の健全性が高いことを意味します。
自己資本対固定資産比率の算出式
自己資本対固定資産比率は、次の計算式によって求めます。
- 自己資本の額は、①基準決算における純資産合計の額、または②基準決算および基準決算の直前の審査基準日における自己資本額の平均値です。
自己資本対固定資産比率と経営状況分析との関係
経営状況分析の指標 | 記号 | 寄与度 | 上限値 | 下限値 |
自己資本対固定資産比率 | x5 | 6.8% | 350.0% | -76.5% |
自己資本対固定資産比率とは、経営状況分析における財務健全性指標の1つです。
この自己資本対固定資産比率が高ければ高いほど、企業の資金繰りが楽であり財務状態が健全であるということになり、評点は高まります。
反対に、自己資本対固定資産比率が低ければ、固定資産を返済が必要で利息の負担がある借入金で返済しなければならないことを意味するので、企業の資金繰りは圧迫されていることになります。
上限値は350.0%、下限値は-76.5%とされています。
自己資本対固定資産比率の評点アップ対策
自己資本対固定資産比率は、自己資本(純資産)を固定資産で割ることにより求められます。
自己資本対固定資比率は高ければ高いほど評点は良くなりますので、①自己資本額=分子を増やすこと、②固定資産=分母を減らすことが評点アップにつながります。
具体的には、次のような対策が挙げられます。
- 増資をおこなうことで、手っ取り早く自己資本額を増やすことができます。
- 地道な企業努力により利益を増やし、継続的に利益剰余金を積み重ねることで自己資本額を増やしていきましょう。
- 企業の経営活動に有効活用されていない土地や有価証券を売却し固定資産=分母を減らすこともご検討ください。