利益剰余金とは|経営状況分析の指標⑧の評点アップ対策とは

利益剰余金とは
利益剰余金とは、企業の経済活動によって得られた利益が会社内部に積み重ねられたものをいいます。
利益剰余金が増えると自己資本(純資産)が増加することになります。
自己資本を増やすための資本金の増加(増資)は資金さえあれば容易におこなうことができますが、利益剰余金を増やすためには企業の営業活動から効率的に収益をあげ、毎事業年度ごとに積み重ねていくことが必要となります。
利益剰余金の算出式
利益剰余金の計算式
利益剰余金 = 利益剰余金 ÷ 1
- 利益剰余金=分子は、基準決算における利益剰余金の額(個人事業主の場合は、純資産合計額)です
利益剰余金と経営状況分析との関係
経営状況分析の指標 | 記号 | 寄与度 | 上限値 | 下限値 |
利益剰余金 | x8 | 4.4% | 100.0億円 | -3.0億円 |
利益剰余金は、経営状況分析における絶対的力量指標のうちの1つです。
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利益剰余金の額が多ければ多いほど、評点は高くなります。
上限値は100.0億円、下限値は-3.0億円とされています。
利益剰余金の評点アップ対策
利益剰余金は企業の経済活動によって得られた利益を社内に留保したものであり、長期的な積み重ねによってしか増やすことができません。
そのため、利益剰余金を増やすためには合理的な経営をおこない、毎事業年度ごとに欠かさず利益を計上し、積み重ねていくことが必要になります。
具体的な対策としては、次のような方法になります。
- 勘に頼った経営ではなく、客観的な数値を基準にした経営をおこなう。そのために、定期的に経営分析をおこない各種の指標をもとに業績の改善や悪化を判断する。
- 予算と実績を比較して改善をおこなう予算管理制度を導入する。
- 財務会計だけではなく管理会計をおこない、設定した数値目標の達成に向けて適切な意思決定や予算管理をおこなう。