多量排出事業者とは

「多量排出事業者」とは

多量排出事業者とは、1年度(4月1日~3月31日)の産業廃棄物の発生量が1,000トン以上の事業場を有する排出事業者、1年度の特別管理産業廃棄物の発生量が50トン以上の事業場を有する排出事業者のことをいいます。

 

(特別管理ではない普通の)産業廃棄物1年度の発生量が1,000トン以上
特別管理産業廃棄物1年度の発生量が50トン以上

 

多量排出事業者となるかどうかの判断は廃棄物の発生量によりますが、廃棄物の発生量は、廃棄物が発生した時点(何らかの操作や処理が加えられていない時点)の量で判断します。

廃棄物が発生した後に排出事業場内で圧縮や脱水といった処理がおこなわれた場合でも、これらの処理がおこなわれる前の発生時点での発生量で判断をします。

 

多量排出事業者となるかどうかは排出事業場ごとの発生量で判断されますが、建設業の場合には、区域内の作業所(現場)を総括的に管理している支店等ごとに判断をします。

 

なお、多量排出事業者に該当するかどうかについては、産業廃棄物と特別管理産業廃棄物とで別々に判断されます。

産業廃棄物と特別管理産業廃棄物の両方で多量排出事業者に該当する場合には、次に記載する処理計画書や実施状況報告書は別々に提出する必要があります。

 

多量排出事業者にこのような計画書の作成、報告書の提出を求めることにより、排出事業者による廃棄物の発生抑制、再生利用などの自主的な取組みを促進することを目的としています。

多量排出事業者に課される義務

多量排出事業者に該当する排出事業者は、翌年度の6月30日までに都道府県または政令市へ廃棄物処理計画書を提出する必要があります。

 

また、翌年の6月30日までに、廃棄物処理計画実施状況報告書を提出する必要があります。

 

多量排出事業者がこれらの処理計画書や実施状況報告書の提出や報告をおこなわなかった場合には、20万円以下の過料に処せられます。

 

特別管理産業廃棄物については電子マニフェストが義務化されている

前々年度の特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)の発生量が年間50トン以上の事業場を設置している排出事業者は、その事業場から生じる特別管理産業廃棄物(PCB廃棄物を除く)の運搬または処分を他人に委託する場合には、電子マニフェストを使用することが義務づけられています。

 

自治体独自の制度

例えば、神奈川県と横浜市、川崎市、相模原市、横須賀市(廃棄物処理法上の政令市)は協働して、廃棄物自主管理事業を実施しています。

この廃棄物自主管理事業とは、多量排出事業者に義務付けられた産業廃棄物処理計画書の作成と実施状況の報告に加えて、県内の全ての事業者(特に前年度の産業廃棄物の発生量が800トン以上、特別管理産業廃棄物の発生量が40トン以上の事業場、)に参加を呼びかけ、法定の多量排出事業者と同様の計画書等の作成を求めるものです。

 

排出事業者による廃棄物の発生抑制、再生利用等の自主的な取り組みを促進する多量排出事業者制度の趣旨を、法令に先駆けて実施していたものです。

→ 廃棄物自主管理事業(神奈川県)