負債回転期間とは|経営状況分析の指標②の評点アップ対策

負債回転期間とは
負債回転期間とは、負債額が平均月商の何ヶ月分に相当するかを計算し、負債額が多額となって企業の経営活動を圧迫していなかどうかを測るための指標です。
負債回転期間は、数値が少ない(回転期間が短い)ほど平均月商による返済が容易であることになり、資金繰りが健全であるといえます。
負債回転期間の計算式
負債回転期間は、次の計算式によって算出します。
負債回転期間の計算式
負債回転期間(月) =(流動負債+固定負債)÷ (売上高 ÷ 12)
- 分母となる平均月商(1月あたりの売上高)は、審査対象事業年度における完成工事高および兼業事業売上高の合計額を12で割った額です。
- 小数点以下3位未満の端数があるときは、これを四捨五入します。
負債回転期間と経営状況分析との関係
経営状況分析の指標 | 記号 | 寄与度 | 上限値 | 下限値 |
負債回転期間 | x2 | 11.4% | 0.9ヶ月 | 18.0ヶ月 |
負債回転期間は、経営状況分析における負債抵抗力指標の1つで、負債が企業の経営活動を圧迫していないかという企業の健全性を測るための指標です。
経営状況分析との関係では、上限値が0.9ヶ月、下限値が18.0ヶ月とされています。
負債回転期間と類似する財務分析の指標に、「借入月商倍率」や「正味借入月商倍率」というものがあります。
これらの指標においては3ヶ月が正常ライン、6ヶ月を超えると倒産シグナルであるとされています。
3ヶ月までは正常で6ヶ月を超えるあたりから危険であるという指標は、負債回転期間についても参考になります。
負債回転期間の評点アップ対策
負債回転期間の評点をアップさせるためには、負債回転期間を短くすることが必要です。
そのためには、①分母=売上高を増やすこと、②分子=負債額を減らすことが必要となります。
以下では、負債額(借入金など)を減らすための対策をご説明いたします。
- 定期預金や積立といって固定預金を解約して、負債の支払にあて負債の支払にあてる
- 投資有価証券や土地など経営活動に貢献していない遊休資産を売却し、得られた資金を負債の支払にあてる
- 過剰となっている棚卸資産(在庫)や死蔵在庫を売却し、得られた資金を負債の支払にあてる
- 増資をおこない、得られた資金を負債の支払にあてる。